非加算無限の文字列

 人のブログ読むのは好きですか?

 

  今時、ネットで自分のブログを公開している人は身の回りに数人いるのではないだろうか。ブログやってる人を生意気でいけ好かないと思うか、好意的に捉えるか、どうも思わないか人それぞれだと思う。私はめちゃくちゃ好きです。素人が綴る文章の中に、見え隠れする不器用さや憧れを感じる瞬間がたまらなく尊い。それはある程度の長い文章でないと実現されない感覚だと思う。

 

  Twitterで粋な事やセンスの良い事、本質を突いてそうな事ばかり呟いている人をみて、自分と同じハリボテなんじゃないかと思ってしまうことがある。

  だって2行程度の文章で粋そうに振る舞うのなんてシェイクスピアを引用しても西野カナの歌詞を引用しても出来てしまう。きっと簡単な数行のプログラムでも実現できる。

  しかし、纏まった文章で粋に振る舞うのは簡単ではない。全体の構成だけでなく細部に粋なネタを紛れ込ませ凡才である事を悟らせないようにするのは容易ではないだろう。タイプライターの前に縛られた猿はシェイクスピアハムレットを打つまでに「蝉時雨」のようなダサいワードを打ってしまいかねない。

 

  私のような素人のブログにはそれぞれ特有の構造の乱れがあり、表現も統一的でないかったりする。しかし、私はいつもそこでニヤつくテクストに出会えるのである。起承転結という堅苦しいだけのプロットに囚われない自由な構成と等身大の自意識が強く訴えかける文章を何度も目にして、本物の粋さを再確認できる。

 

  そうやって他者への尊敬を取り戻し、安堵する。一般人のブログを読むことは、頭でっかちな私が充分な情報量がなければ判断を保留してしまう事への処方箋になっていたのだ。

 

  これで書きたいことは終わりです。私のブログにはあなたがニヤつく1文はあったのだろうか。