Twitterの”スマホ1台で金儲け”系スパムに返信して会ってみた

 YouTubeの見過ぎでYouTuberみたいなブログタイトルになってしまったが、鉄球を1000度に熱するよりもあなたにとって興味深い記事になる事を願う。

 

 Twitterでよく見かけるアイツ。スマホ一台で収入を3→7→11→17と増やすアイツ。どういう仕組みで、どういう人がやっているのか気になりますよね。私はいつもアイツらにはふざけた返信しかしないのだが、友達がきちんと返信してアポを取ったので便乗して会ってきた。面白い友達がいて有難い限りだ。

 

 会うことになった場所は梅田のカフェ。指定された場所にいたのは垢抜けない年下の真面目そうな青年だった。友達には「あまり問い詰めたりすんなよ」と言われていたので、前半は大人しく話を聞くことにした。

 

  まず渡された名刺がこちら。f:id:neighborlyhate:20180908013124j:image

 すごくないですか?この名乗ったもん勝ちの実態不明の肩書の列挙。落合陽一より何やってるか分かりませんよ。今にでもレトルトカレーをストローで飲みだしかねない。

 

 名刺を貰ったら、まずはアイドリングの会話から始まった。趣味の話とか、大学の話をした。その時に感じたことですが、この人何にも知らないんですよね。映画も小説もスポーツも音楽もボードゲームもアニメもyoutubeもどんな話題も人並み以下の知識もなくて、本当に盛り上がらない。

 そもそも、話がめっちゃ下手。 私はもっと詐欺師みたいな話術を想像していたが、陰キャ大学生の自分よりもコミュ力がない。私も人に言えた立場ではないのだが。

 

  彼のプロフィールを簡単に説明する。

工業高校を卒業後、ダムや高速道路を作る会社に就職するも自身に裁量のない仕事の詰まらなさから転職を考えた時期にネットビジネスと出会い、思い切って辞職したらしい。

  私より年下だけど人生の荒波感にビックリだ。あと高速道路に無駄に詳しくてとても面白かった。変な事に詳しい人に話を聞くのはやはり楽しいものだ。

   

  しかし、いつになったら本題に入るの?と思い、こちらから話を振って例のビジネスの話が始まった。

 

 「まず稼ぎ方にはバイトなどの「もらう」、投資などの「増やす」、アフィやMLMなどの「つくる」があるんですよ」と彼は話し始めた。誰の受け売りか知らないが、自分の言葉じゃない感が凄かった。彼が言いたいのは価値から金を「つくる」をやってみないかということだった。

 ちなみに彼が売っているコンテンツは「恋愛術」と「人見知り改善術」らしい。

「は~~!!?!?!?!????お前にだけは教わりたくね~よ~」と心の中で叫んだ。対人関係の情報商材作ってるお前のコミュ力がゴミなのは説得力なさすぎないか。

 そもそも、この人は稼いでるはずなのに学生にコーヒーも奢ってくれないし、18日

なのにもう通信制限かかってるし、靴もボロボロだ。「上の人」からそういうの教わらないのかな。与沢翼みたいな格好しろよ。ダイエットして妻の写真をTwitterにあげろよ。

 

  その後は どんなコンテンツを作るか、集客はどうやるか などの話をされた。

  そこで疑問に思ったのは「俺達がコンテンツを作って売って儲けて、この人達にどういう得があるのか」という事だ。ウシジマくんからの知識しかない私が想像していたのは、上から商材を買ってそれを売ったり、上から金持ちそうに見える服や時計を借りて商材が売れやすくする といった構造だった。ちなみに闇金ウシジマくんは人生の教科書なので義務教育に導入すべきだ。

   あまりにも収益構造が見えなかったので「俺達がビジネス始めたら〇〇さんはどうやって儲かるんですか?」と聞いたところで、やっと彼の最終目的を話してくれた。

   彼は私達を月会費1万円のビジネススクールへ入会させることが目的だったのだ。

 

そのビジネススクールで行われていることの詳細が以下のようになる。

・コンテンツの添削サポート

  LINEグループでのコンセプトやSEO対策、収益化のためのサポートである。私が見せてもらったグループには4人ほどの生徒と先生がおり、生徒は自分の書いた料理やダイエットのブログを添削してもらっていた。

・週2回の勉強会

  1回1800円で梅田と新大阪に集まってセミナーのようなものを受けるらしい。いったい何を学べるのかは不明だが、積極的に参加しないといけない雰囲気でもあるのだろうか。

・月に1回のイベント

  なんか1回4000円でBBQやお花見、パーティなどを開いているらしい。これも写真を見せてもらったが、普通に楽しそうなサークルといった印象だった。

 

 マルチやねずみ講のような親と子の関係を繋いでいるというよりは、ある程度の集団に1人の先生が付くというものっぽい。これは今回私達が会ったネットビジネスアカウントの例であり、他にも様々な種類があるのかもしれない。

 彼曰くこのコミュニティに入りたいのなら、「上の人」を連れてもう一度話をすることになる ということだった。私たちは「ではまた、DMで連絡させていただきますね」と言って彼と別れることになった。私たちが帰りの電車で彼のアカウントをブロックしたのは言うまでもない。

 

   これが今回の全貌だ。それなりに納得する調査ができたつもりだ。少なくとも鉄球を温めるより有意義な時間だった。

 前職を辞め一歩踏み出した彼は、前の仕事をやっているときよりも高い自己肯定感を獲得しているようだった。ひとえにネットビジネスアカウントと言ってもそれぞれの人生があり、自己実現に向けて奮闘する行動力のある人間が多いのかもしれない。


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